八宝茶を知ってほしい

こんにちは、雨水戸です。


突然ですが八宝茶をご存知ですか?

いえ、八宝菜ではありません。もちろん発泡酒でもありません。

お茶です。

いわゆる、漢方茶や薬膳茶といわれるものの一つです。


f:id:amemito:20211009054046p:plain


なぜこれなのか。部屋を整理していたら見つけたからです。八宝茶にハマった時買い揃えた漢方を。(賞味期限)f:id:amemito:20211009054633j:plain


そもそも八宝茶と出会ったのは京都に住んでいた頃、母に連れられて行った薬膳カレーのお店でした。


北大路通を少し下って京都北郵便局の向かい側にひっそりと佇む、町屋や古民家を感じさせる落ち着いた雰囲気のお店


Cha cafe wa


https://search.yahoo.co.jp/amp/s/s.tabelog.com/kyoto/A2601/A260503/26029503/top_amp/%3Fusqp%3Dmq331AQIKAGwASCAAgM%253D


ご夫婦で営業されており、物腰柔らかなご主人が出迎えてくれました。

早速お目当ての薬膳カレーを注文。ごろっとチキンが入ったスパイシーなカレーは体に染み込む優しさももちあわせており、まさに芯から暖まります。有機野菜をたっぷりとれるサラダやスープも非常に美味しかったです。

f:id:amemito:20211009054736j:plain


追加で頼んだラクレットチーズ。半月のチーズを加熱し、とろりとした断面を贅沢に削り取ってぶっかけた甘くてフレッシュな野菜たち。特にフルーツのように甘い玉ねぎとカリフワな自家製食パンが絶品で


「この瞬間、自分は世界一健康なんだ」


と思えるほど自然のパワーを喰らい、目が5割増でカッと開きました。

f:id:amemito:20211009054808j:plain


お料理をあらかた食べ終わった頃、ご主人が来られて訊ねました。

「食後にお飲み物はいかがですか。」

「そうですね

机の上には食べ物とは別に、事細かに効能と漢方の種類を明記した色々なお茶のメニューが広げられました。


「胃〜調子茶、イライラ茶


なんて効能のわかりやすいネーミングでしょう。しかし目に付いたのは聞きなれないお茶でした。


「あの、この八宝茶っていうのは

「こちら湯のみに直接漢方を浮かべましてお飲みいただく薬膳茶でして、漢方の優しい甘さが体を癒してくれますよ」

「なるほど。じゃあこれを試してみます。」


「乾燥した漢方を使うので、お湯の入り方が時間経過によって変わります。1回目お飲みになられたら、二煎目、三煎目と淹れなおしますのでお声がけ下さい。三煎目が終わったあと、お湯で戻った漢方は食べられますのでお取り分けします。」


なんと、1粒で3度おいしい、いや、4度美味しいオトク漢方茶だったんですね。いやはや。

ここの八宝茶に使われていたのは

・ナツメ

・サンザシ

・龍眼肉

・金銀花

・菊花

・陳皮

・クコ

・???


すみません、ひとつ忘れました。


f:id:amemito:20211009054846j:plain


蓋碗(がいわん)と呼ばれる蓋付きの器で提供されるそれは、飲み方も特殊です。

まず、煮出して蒸らすために蓋をしたまま23分ほど待ちます。そして、結構暑いのでフチの部分をもち、蓋を少しずらして中身が出てこないようにしてちびちびと啜ります。

そう、お茶ってね、思ったより熱いんです。

だからこうやってちびちび啜ることで火傷も防げるというね。

f:id:amemito:20211009055105j:plain


驚きました。ほんとうに違うんですよ。一煎目、二煎目、三煎目と段階式に味変されるんです。感動しました。

以下、それぞれの感想をそれぞれに。


一煎目:

いちばんお茶っぽい。すっきりとしていて漢方の風合いが優しく香る。味はハーブティーに近く、なんというか藁とか芝生とかのそういった広大さを感じました。食後の口の中を洗い流してくれます。


二煎目:

え!甘い!フルーティーさとは少し違う、なんだろう砂糖より優しい甜菜のような甘さ。恐れくこれはナツメが本気を出してきたんでしょう。さらに龍眼肉のライチのような風合いと陳皮のオレンジティーのような香りが加わって全く印象が変わります。食後のデザートを高めてくれました。


三煎目:

もうこれ以上変身しないだろうと思っていました。やるやん。僕は個人的にこれが一番好きでした。二煎目ほど甘さはなく、1番香り高い上品な味わい。様々な戦場を経て落ち着いた賢者のように、全て混ざりあって穏やかな気持ちになります。繊細なハーブティーのような後を引く感動がありました。


食後にはちゃっかり濃厚なデザートタイムを楽しみました。これも全部自家製で…(割愛)

f:id:amemito:20211009055125j:plain



2


さて、この八宝茶ですがこの「八宝」は人によって変わるようですし、別に8種類という意味でもないそうです。ほら、八宝菜ってわりと色々入ってるし店によって違うじゃん?


ということで、僕なりに八宝茶について調べたことと、これだけは外せない具材(?)をご紹介します。


まずそもそも八宝茶とは何か。中国では「バーバオチャ」と発音するようで、可愛いですね。

もともとは茶葉の貴重な地域で、茶葉の代わりに果実や花を煎じて飲んでいた事をきっかけに作られたそうです。見た目がとても華やかなので冠婚葬祭や来客時のもてなし、催事の時に飲まれるようになったんだとか。


効能は血行促進、目の疲れの緩和、風邪予防など組み合わせ次第で自由自在。中には氷砂糖を入れたりしてジュース感覚で楽しむ人もいるそうです。


【欠かせないもの】

・ナツメ

これは必須!自然な甘味のメイン。また、時間差で味が変わるトリックの仕掛け人。乾燥させたナツメは中がスポンジ状になるためじっくりとお湯が染み込むことによって様々な変化をもたらします。

f:id:amemito:20211009060545j:plain


・龍眼肉

フルーツっぽい甘味のメイン!ライチみたいな甘みがあります。淹れ終わったあと食べて1番美味しいのでおすすめ。物によっては琥珀色っぽかったりします。

f:id:amemito:20211009060608j:plain



・菊花

ようは乾燥させた菊の花ですね。上品な香りと甘味を抑える少しの苦味が漢方茶らしさを演出してくれます。

f:id:amemito:20211009060645j:plain



さあ、あとはお好みです。アレンジし放題。僕がこれまでに見かけた材料をご紹介しますね。


・バラ

・ハイビスカス

セミドライレモン

・ドライいちじく

・ドライアップル

・バニラビーン

レモングラス

・白キクラゲ

・生姜糖

・レーズン

・金柑

ラズベリー

マタタビ()

・メダラ

・ゴマ

クルミ


さらに茶葉などを加えたり


・紅茶

ジャスミン

鉄観音

・蓮の葉茶


あまり苦味のないものの方が好まれているようです。ドライフルーツは結構何でもいけるみたいですね。

みなさんも色んな組み合わせを楽しんでみては如何でしょうか


それから言い忘れていましたが、蓋碗なんて普通の家には無いので耐熱ティーポットでいいみたいです。ガラス製なら中が見えてオシャレな気持ちになっちゃうかもね。


それではさようなら。